ゲーム業界の重鎮であるセガサミーグループが、2024年3月期の業績で大幅な増収増益を達成したことが明らかになりました。同グループの好調ぶりと今後の展望について、詳しく見ていきましょう。

遊技機事業の躍進

サミーを中心とする遊技機事業の営業利益が2期連続で2倍の伸びを見せ、200億円台を突破しました。

  • 新作の「スマスロ北斗の拳」が大きく貢献したほか、複数の新作タイトルも堅調に推移した。
  • パチスロ機の導入台数は前期比で減少したものの、販売スケジュールの見直しによるものだった。

遊技機事業の好調が、グループ全体の業績を大きく押し上げる要因となりました。

遊技機業界では、人気IPを活用した新作タイトルの投入が重要な鍵を握ります。サミーは「北斗の拳」シリーズの人気に加え、新作の開発力の高さが評価されたと言えるでしょう。今後も魅力的な新作を投入し続けることで、遊技機事業の更なる成長が期待できます。

コンシューマゲーム事業の二極化

セガが主体となるコンシューマゲーム事業は、増収ながらも減益となりました。

  • 国内・アジア地域でのタイトル販売が好調だったものの、欧州地域が低迷した。
  • 欧州地域での構造改革に伴い、約192億円の特別損失を計上した。

地域間での業績の二極化が顕著となりました。

コンシューマゲーム事業においては、地域ごとの嗜好の違いが大きな課題となっています。国内・アジア地域では「龍が如く8」や「ペルソナ3 リロード」が好調だったことから、主力IPへの注力が奏功したと言えます。一方で欧州地域での低迷は、地域性を踏まえたマーケティング戦略の見直しが必要不可欠です。構造改革の痛手は一時的なものと考えられ、今後の立て直しが注目されます。

主力IPの活躍と新規タイトルへの期待

セガサミーグループの主力IPは存在感を示しています。

  • 「龍が如く8」が発売1週間で世界累計100万本を突破した。
  • 「ペルソナ3 リロード」は発売1週間で同シリーズ最速の100万本を記録した。

人気IPへの支持は根強く、ファンの期待に応えられたことが分かります。

今後は新作「ソニック」シリーズの発売が控えており、更なる活躍が期待されます。またアトラスブランドでは新規IPからのタイトル展開も予定されています。映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影」の配分収入計上も見込まれており、マルチメディア展開による相乗効果も期待できそうです。新旧両面からの攻めで、セガサミーグループの成長は加速する可能性があります。

まとめ

セガサミーグループの2024年3月期業績は、遊技機事業の大幅な伸びと主力IPの活躍が大きな要因となりました。一方で、コンシューマゲーム事業では地域間格差が課題となっています。今後は新作の投入と新規IPの開拓、マルチメディア展開の強化などで、更なる飛躍が期待されています。ゲーム業界の重鎮として、エンターテインメント分野を牽引し続けられるか、その行方が注目されます。

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